求めているもの

「中でも何が一番つらかったかといえば、嘘つき扱いされることでした。レイプそのものがなかったことにされ。嘘つき呼ばわりされる」

「対話してくる中で、気付いたことをたとえばひとつ挙げるとすると。かつて加害者となった方々のほとんどが、自分の被害者について知らないということです。被害者の顔も覚えていない」

 写真家・にのみやさをり氏の手記(「なぜ、性暴力被害者が加害者と対話を続けるのか」-『週刊金曜日20日号)によるものだ。加害者は忘れることができても、被害者はできない。

「加害者は、レイプ被害だけをとりあげて謝罪しているんですね。……でも、私はそれだけを求めていたのではなかったのです。被害後からずっと続く私の滅茶苦茶になった人生そのものに謝罪してほしかった、丸ごと、取り戻せるなら取り戻したかった」と、語っている。

                 

 

アクセスカウンター