2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

思想の普及

キューバで成功したゲバラのゲリラ戦術も、ボリビアでは成功しなかった。現地人の協力を得られなかったことが原因だ。異国人の説く未知の思想が受け入れられるまでには、長い時間を要するのだ。 『チェ28歳の革命』(米国)、『チェ39歳別れの手紙』(米国・…

歴史が必要か

「明日があるかもわからない世界に、歴史なんて本当に必要なの?」(野田秀樹「パイパー」『新潮』2月号) この問いかけへの解答から、歴史が始まる。

フィクションの題材

戦中派の人たちが戦争をもとに発信してこられましたが、そのあとが続かない。……大学紛争の時代を生きた人たちは心の内に屈折したものを抱えていますから、自ずと社会的な視点を持ちえます。しかしその一〇歳下の世代になると、あまり社会的な関心がなさそう…

全盛期

若返りすぎても困るし、老いすぎるのもわびしい。老人からだんだん子どもになっていく男と、相応に年を取っていく女の人生を対比させる『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(米国、デビッド・フィンチャー)は、個人にとって一番輝いている年齢がいつかという…

好き嫌いの真理

野口 どっちが好きですか。 平井 何が、おまえとふゆのどっちが好きかって 野口 そうじゃなくて、学校の先生とドラマ作家 平井 今は先生 野口 でしょうね。 平井 もう少ししたら逆転する 野口 必ずやってる方の反対が好きなんですね (弘前劇場『アザミ』の…

普通の仕事

月552時間労働、休みもほとんどなし。賃金値下げの一方的通告も。 ドキュメンタリー『フツーの仕事がしたい』(日本、土屋トカチ)の運転手は、下請け運送会社での過酷な労働によって、一時は生命の危機にさらされた。暴力団まがいの労務担当者に脅迫された…

アートの価値

セロテープだけで作ったアート。それが何なのかと言われればそれまでだが、アートの価値は、そうした意味を超えたところにある。(「瀬畑亮 セロテープアート展」練馬区立美術館)

ウォーミングアップ

一日十四時間から十五時間書いている。とはいえ、実際にキーボードを叩いているのは、その三分の一。あとは悩んでいる時間だ。……考えている余裕がない時は、なんでもいいから書く。すると不思議なもので、書いたり直したりしているうちに徐々に本当に書きた…

気分はまだ戦争

「芥川賞を取らなかった名作たち」をシリーズでやってきて感じるのは、結局、全部が戦争なんです。戦争とそれ以降を、自分の感じ方を裏切らないように、どう描くかがどの作品にもずっとあって」(佐伯一麦『芥川賞を取らなかった名作たち』朝日新書) まだ戦…

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