2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

私の言葉

そのころまで、コピーライターの仕事は、自分を出さない昔のアナウンサーのようなものでした。でも僕は、商品と自分の関係を考え、「私」というフィルターを通さない言葉は書けないと感じ、実際そうしてきました。(糸井重里「人間発見 言葉、この危険なるも…

日本の顔

移民・肉体労働者・自由人……。 彼らが身近にいても、接点がない限り、暮らしぶりがわからないものだ。 『サウダーヂ』(日本、富田克也)は、さびれた地方都市の現実を素材にしつつ、フィクションというツールによって、もう一つの日本を映し出す。 日本の顔…

戦場

湾岸戦争以後の「新しい戦争」は、つねに世界中で起こる可能性がある。農夫や猟師や会社員や教師や神官やタクシー運転手や学生が、徴用の手続きを経ずして、瞬時に兵士になる可能性を孕んでいる。おまけにいつだれが敵になるかもわからない。日常には戦争が…

エネルギー

画壇の人と話をしないし、画壇には出ていかない。酒は飲まないし、タバコはすわない。完全にセルフコントロールしている。とにかく、すべて芸術の制作に没頭している。そうして、一日一日を生きている。(『無限の網 草間彌生自伝』作品社) 芸術活動に集中…

役者もいずれ…

俳優の動きをベースにしたとはいえ、『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』(米国、ルパート・ワイアット)のCGは、感情表現も動作も、恐ろしいほど精密で、迫力もある。 劇中でサルと人間、親と子、支配者と被支配者の関係が逆転したように、役者も実物から人工…

明かり屋さん

『明りを灯す人』(キルギス・フランス・ドイツ・イタリア・オランダ、アクタン・アリム・クバト)の男は、貧しい人が無料で電気を使えるように細工したり、風力発電の実現を夢見て実験に励む。 村人に明かり屋さんと呼ばれる彼。 実在したわけではない。 だ…

ポジション

父親の末期がんを看取るという深刻な題材でありながら、ドキュメンタリー『エンディングノート』(日本、砂田麻美)の語り口はユーモラスで、距離感も程よい。 監督であり、撮影者である娘が、闘病者の長男でも長女でもなく、次女であるというポジションが、…

破綻

優れたルポの書き手は、構想が破綻した瞬間に「これだ!」と直感します。そして、その破綻から、構図を再構成しようとします。ここに新しい視点が誕生するのです。(中島岳志『週刊金曜日』9月30日号) 破綻は、ひらめきのチャンスである。

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