2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

作家の姿

『又吉直樹 第二作への苦闘』(NHK)で映し出される作家の姿は、あまりにも古風で、あまりにもストイックだ。 だからこそ新鮮で、人を引きつけるのだろう。

名キャスター

インターネットで情報を得る人びとが増えているが、感動的に共感しやすいものだけに接する傾向が見られ、結果として異なる意見を幅広く知る機会が失われている。そして異質なものに触れる機会が減ることで、全体を俯瞰したり物事の後ろに隠されている事実に…

通過点

それぞれ背景を持つ少女たちが、自身でキャラクターを作り上げ、夢への通過点として結集したアイドル・グループ。『悲しみの忘れ方 DOCUMENTARY of 乃木坂46』(日本、丸山健志)は、彼女たちの紆余曲折を母の視点で見守る。 過去の挫折を克服し、まだ見ぬ未来…

個人が個人でいるために

『スノーデン』(米国・ドイツ・フランス、オリバー・ストーン)で再現されるのは、だれもが情報を覗かれる世界だ。行き過ぎた監視プログラムを暴いたエドワード=スノーデンを英雄とたたえるか、裏切者として罰するかは、国家のスタンス次第である。 個人が…

男の本性

シャイな男の衝動性と、その背景。 『俺はNOSAKAだ ほか傑作選』(新潮社)のあとがきで、夫人はわずかなエピソードに触れるだけで、野坂昭如という男の本性を言い当てている。

壁画と人類

暗闇の狭い通路を通り、高い場所に集団で登り、統一化された絵を描く。ラスコーの壁画は、一個人の創造的芸術とは性質の異なるものだ。 『世界遺産 ラスコー展〜クロマニョン人が残した洞窟壁画〜』(国立科学博物館)で再現された壁画作りのプロセスは、人…

ネット利用

斎藤 やはりネットって、「広告のための道具だ」ということが最優先にならざるをえない。だからネットニュースはただなんですよ。 (斎藤貴男×武田砂鉄「骨抜きにされるジャーナリズム」――『週刊金曜日』2月3日号) ネットは利用されつつ、利用する。距離を…

嗜好

エタノールの匂いをたどれば発行した果実が見つかり、食べた後には気分がよくなる。人間が時に酒におぼれてしまう一因は、こうした体験が私たちの脳や遺伝子に刷り込まれているからではないか。アルコール依存症の父親をもつ、心理学者のロバート・ダドリー…

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