2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

成熟した関係

山田太一のテレビドラマ『まだそんなに老けてはいない』は、男女が一線を越えない節度がいい。 定年間近の消防士が火災現場で足を折る。リハビリ中に見知らぬ男からそそのかされて、下着売り場で働く婦人と親しくなる。男は妻子持ちで、生まじめだ。関係がで…

かくれんぼう

冗舌な言葉を発する場がある。そこは、携帯メールだったり、町なかだったり。その多くが退屈だったり、いらだちをもたらすのは、乱発される言葉が、たいてい薄っぺらで、しかも、まがい物だからだ。 あたし達は何かをかくすためにおしゃべりをしてた ずっと …

変わり行く街

倉本聰脚本のドラマ『拝啓、父上様』では、神楽坂の坂道や古風な料理屋が風情豊かに映される。この街並みも、再開発とやらで、マンション建築に押されて、だいぶ変貌しているという。 街は生もの。姿を変えるのは、さびしいが、仕方ない面もある。 住む、働…

生の存在

ビデオ画面に人の顔が映っている。その顔がほんの少しずつ表情を崩していく。別の画面には、地面に立つ男がいて、滝のような水を浴び、やがて炎に包まれる。森美術館で開催中のビデオアート展『ビル・ヴィオラ:はつゆめ』には、ヴィオラの作品、16点が展…

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