2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

劇場ノート

こまばアゴラ劇場は5月末に閉館となるが、サヨナラ公演に悲壮感はない。劇団は存続するし、駒場ではないにせよ、他の地域で上演は続くからだ。小劇場の息長い活動とジャンルを超えた実績は、これからも足跡を絶やさないだろう。

格闘一家の救い

格闘家の苦闘であり、家族の物語であり、米国の歴史でもある。『アイアンクロウ』(米国、ショーン・ダーキン)はプロレス界の伝説的存在フォン=エリックの家族それぞれに焦点を当て、栄光の裏の悲劇から目をそむけない。父には認められなかったケビンが、…

書かなくてはいけない

日航123機の墜落は、自衛隊のミサイルだった。政府主導の不良債権処理は、日本企業の企業資産の売り飛ばしにすぎなかった……。 ステージ4のがん告知を受けた森永卓郎が『書いてはいけない』(三五館シンシャ)で書いたことは、特定の人間の利権としがらみのも…

人も地に眠る

19世紀後半、布教活動のため、植民地アイスランドの村に移動したデンマークの宣教師が、恐るべき自然と、粗野な村人に翻弄される。『ゴッドランド』(デンマーク・アイスランド・フランス・スウェーデン、フリーヌル・パルマソン)は、慣習の違いを超えて彼…

監督の良心

ナチ対策の原爆開発によってサスペンスドラマとして成り立つし、苦難を経ての成功物語に仕立てることもできたろう。だが、『オッペンハイマー』(米国、クリストファー・ノーラン)は、彼の英雄談議に終わらせていない。学者としての危うさや発明後の苦悩や…

生物の宿命

映像で語る神話来てな叙事詩。『デューン 砂の惑星 PART2』(米国、ドゥニ・ビルヌーブ)は、序章を終えた段階だからこそ、その目的を果たしたと言えるだろう。敵対する者はもともと同じ一族であり、砂虫を操れても、人間を完全に制御することはできない。一…

土地の愛着

人口、影響度からすれば、小さな町の復帰にこだわったり、復興に公的資金を投入することに、批判する者もいるかもしれない。生まれ育った土地に、住民が固執するのはなぜか。その地が誕生するまでの経緯、あるいは、そこで暮らしてきた人を助け、支えたもの…

編集される写真家

編集者だった中平卓馬の写真は、文章や雑誌などと組み合わせることによって成り立つと言える。彼自身もまた、映像や他の写真家とコラージュされることで、存在が確認できるのだ。

犬男

少年時代、犬小屋に放り込まれ、下半身の機能を失い、犬の群れと同居しながら、女装の歌手として生きる男の数奇な運命。『DOGMAN』(フランス)の主人公は、逆境にめげないタフな男。リュック・ベッソンらしい異様なキャラクターをケイレブ・ランドリー・ジ…

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