2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

アイデアの出所

「いいアイデアがなにも浮かばないときは、自分がこれまでかかわってきたもの、夢中になっていたものを、思い出すことのほうがいい。それ以外のものは、たいてい付け焼刃にしかならない」(島田潤一郎『あしたから出版社』晶文社) 心のこもった丁寧な本作りを…

作家になる

人はどのようにして作家になるのかという問いに、わたしはこう答える。自分の書いているものへの信念をけっして失うことなく、辛抱強く、執拗に書き続けることによってである、と。(アゴタ・クリストフ、堀茂樹・訳『文盲 アゴタ・クリストフ自伝』白水Uブッ…

アメリカンドリーム

インド初のメジャーリーガー発掘のため、エージェントが取った秘策とは? 野球経験のない若者たちの才能をスピードガン・コンテストで見抜き、短期間でプロに育て上げる。 実話というのだから驚きだ。エージェントの思惑はともかく、米国には、実力しだいで…

文学の姿勢

心の内側から見た時見えるものがある。構造から自由なもの、生きているかのように描かれるもの、それが文学だ。(笙野頼子『未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の』講談社) 個に執着し、妥協しない。信頼できる文学の姿勢だ。

見えないファシズム

「熱狂なきファシズム」は、日本が不幸にも戦争することになれば、「熱狂あるファシズム」へと容易に転化しうるのだ。(想田和弘『熱狂なきファシズム: ニッポンの無関心を観察する』河出書房新社) 意識下に抱えながら、表出されないファシズム。よほど敏感…

真実の日記

第2次世界大戦末期、母から農園の祖母に預けられ、まともな食事を与えられることもなく、こきつかわれる兄弟。彼らを包囲するのは、兵士や村人の暴力と死だ。 『悪童日記』(ドイツ・ハンガリー、ヤーノシュ・サース)は、兄弟の残酷な日常を美しい映像で鮮明…

書きたいものを

私がこれから小説を書こうとする人に唯一言えるとしたら、今何がヒットしているかを考えるのではなく、書きたいものを書いたほうがいいと言うこと。自分に正直になるのが大切です。(宮部みゆき「自分に正直に書いてこそ」『日本経済新聞』8日夕刊) 一人の…

サブカルチャー

カウンターではなく、逸脱の役割を担うサブカルチャー。『ニッポン戦後サブカルチャー史』(NHK Eテレ)は、劇作家・宮沢章夫を講師として、戦後から現代までの変遷をたどる。 いつ、どこで、なぜ、だれが……。 当時見えなかったものも、振り返れば見えてくる…

何があろうと

『ジャージー・ボーイズ』(米国、クリント・イーストウッド)は、有名ミュージシャンの典型的なスキャンダルを織り交ぜながら、あらゆるエピソードを否定も肯定もせずに見つめている。 世界的にヒットしたポップ・グループ、ザ・フォー・シーズンズ。 人気…

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