2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

アベノミクス

この社会はもう続かないかもしれない。何か新しい考え方、価値観に変えていかないといけない。3・11もあり、人々がやっとそんなふうに感じ始めていた。その感覚を再びカネの魔力で封じ込めよう、というのがアベノミクスじゃありませんか。(富田克也「社会変…

老人生活

歯止めのきかないふるまい。大量の薬。過去の思い出と、他人への勝手な思い込み。今か昔か、あいまいな時間感覚。 認知症に限らず、老いれば避けられない現象だろう。 老人生活は、恐ろしく、哀しい。 アニメ『しわ』(スペイン、イグナシオ・フェレーラス)…

罪と情

肉親を失う悲しみを知らない男が、実母を装って近づいた女に親愛の情を覚えたとき、彼女は飛び降り自殺する。男を苦しませることこそが、女の復讐だった。 『嘆きのピエタ』(韓国、キム・ギドク)は、罪の変遷を問い、情を根底から揺さぶる。

小説家の幸福

小説を書くときの私は、「十分な取材をして、準備万端整って」などということがないまま、見切発車の状態でスタートしてしまうので、書き始めてかなりの間は不安です。最後の方になって、「あ、小説になった」と思えた瞬間、やっと幸福になります。(橋本治…

雨の日

雨の日の公園。男子高生と年上女性の淡い恋。シンプルなストーリーと、すがすがしい映像。 『言の葉の庭』(新海誠)は、エンディングで流れる『Rain』(作詞・作曲:大江千里、歌:秦基博)にぴったりのアニメだ。

写真、言葉、物語

失明した人々が最後に見たものは? 初めて海を見た人の表情は? 『ソフィカル―最後のとき/最初のとき』(原美術館)は、フランスの現代美術家、ソフィ カルが、写真と言葉で綴る物語集だ。

伝達

震災の教訓は、「○○を忘れない」ではなく「忘れるものだ」ということです。 (岩井俊二「人は忘れる だから原点へ」『朝日新聞』5日夕刊) 忘れるからこそ、伝え続けなければいけないものがある。

意識

現実なのか、意識下なのか。 『リアル 完全なる首長竜の日』(日本、黒沢清)は、こん睡状態の男と、彼にシンクロする女との結びつきを通じて、意識の境界線を問いかける。 今、我々も、起きているのか。それとも、眠っているのか。

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