2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

実録映画の演出 

1967年の暴動の際、強引な尋問で無抵抗の黒人を殺した白人警官。実録サスペンスで異様な緊張感を醸し出すキャスリン・ビグローの演出は、『デトロイト』(米国)でも発揮されている。

ハンター

ドキュメンタリー『サファリ』(オーストリア、ウルリッヒ・ザイドル)は、野生動物のハンターを合法的に楽しむ家族や夫婦たちの活動を黙々と映し出す。カメラは彼らの行為を否定するわけでもないし、肯定するわけでもない。生きものを殺し、食べる人間の業…

夫婦の終着点

老夫婦の最後の旅。『ロング,ロングバケーション』(イタリア、パオロ・ビルツィ)は、哀しくも幸福な旅と、衝撃的な結末で、終着点のあり方を問いかける。

描く人生

『没後40年 熊谷守一 生きるよろこび』(国立近代美術館)によって、明るい色彩画に至るまでの画家の変遷を一望できる。熊谷にとっては、描くことが生そのものだった。

視覚体験

『レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル』(森美術館)は、まるでプールの中やアパートの壁にいるかのような視覚体験を味わえる。今いる世界の出来事は、別の角度から見ると、違う感覚を発見できるだろう。

詩の映画

詩の映画化は難しいが、『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(日本、石井裕也)は、物語やキャラクターという映画的娯楽性を維持しつつ、都会にひそむ詩的な心のつぶやきや生死の断片を、映像でつむぎ上げた。 見ること、聞くことの快楽が、映画詩にはある。

正と逆

アンモナイトが好き。小学校時代の初恋相手をいまだに思い続ける。打ち明け話の相手は、町の見知らぬ人々……。そんな妄想好きOLが、職場の男から告白される一方、強引に企画した同窓会で初恋男子に再会するが……。 『勝手にふるえてろ』(日本、大九明子)は、ノ…

漫画アート

漫画アートは、モチーフが別のキャラクターでも成り立つだろう。材料が豊富ならば、どうにでもイメージを膨らませることができるからだ。ただし、原作のワクワク感を活かせたかどうかは別問題だ。

歴史は続く

『フォースの覚醒』以降、神話性が薄らいで迷走しているかに見えるスターウォーズ。『スターウォーズ 最後のジェダイ』(米国、ライアン・ジョンソン)』では、ハン=ソロに次ぎ、ルーク=スカイウォーカーさえも、終わりが訪れる。だがこれは、彼らがいなくて…

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