2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

冷徹な映像

祖母が死んで以降、一家に次々と訪れる災厄。抵抗する余地は一切ない。 『ヘレディタリー 継承』(米国、アリ・アスター)は、救いのない展開を先鋭的な絵作りで冷徹に映し続ける。非情な行為に意味を求めてはなるまい。

成功の反動

ライブドア事件で皆が学んだのは、あまりに目立ちすぎると狙い撃ちにされる、ということだった。以降に出てきた経営者は、徹底的に「悪目立ち」を避ける傾向にある。「ビジネスの成功談」を語らず、「いかにユーザーのことを考えているか」を暑苦しいほどに…

ブログ引っ越し

はてなダイアリー(http://d.hatena.ne.jp/mukuku/)停止に伴い、はてなブログの当ブログに移りました。

才覚

大リーガーの新人テストという地味な素材。プレイする若者の夢と発掘する老人の生きがい。恋愛やら、父子関係やら、娯楽映画としての常套要素を踏まえつつ、予想しうる展開にはせず、細部をひねる。語り口からして、流れが巧みだ。 長編第1作めの『ビッグ・…

娯楽のバランス

サスペンスとユーモアのバランス。 米国娯楽映画のヒット作には、荒唐無稽なフィクションを成立させるうまさがある。

あるミュージシャンの半生

才人が才人であるためには、多くの代償を伴う。だが、いくつかの危機を脱したときには、危機もまた、才人であり続けるための好機だったと気付くことができるだろう。

万人のための発明

偏見や失敗にもめげず、女性のための格安ナプキンを開発し、普及させたラクシュミ。『パッドマン 5億人の女性を救った男』(インド、R=バールキ)は実在の男をユーモラスなエンタメに仕上げた。発明を独占せず、手に入りやすい機械を女性の間に広めた功績も…

文化と人生

英国人が文化というようなことを余り考えないのは、そういうものがいくらあっても、いずれは死ななければならない我々にとってどれだけの意味があるかという観念がそこに強く働いているからである。そしてこれは無常を感じることとも違っていて、英国人はや…

集団芸術

出資者とスタッフの衝突。障壁を乗り越えたSFハードボイルドの誕生。『デンジャラス・デイズ:メイキング・オブ・ブレードランナー』(米国、チャールズ・デ・ラウジリカ)は、傑作が芸術肌の監督一人の手で生まれたわけではなく、俳優やスタッフの意見も…

まだ平成

まだ平成は終わっていない。 だが、昭和は終わったという催事はある。

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