土地の愛着

 人口、影響度からすれば、小さな町の復帰にこだわったり、復興に公的資金を投入することに、批判する者もいるかもしれない。生まれ育った土地に、住民が固執するのはなぜか。その地が誕生するまでの経緯、あるいは、そこで暮らしてきた人を助け、支えたものが何であったかを知れば、見方が変わるだろう。

『津島 福島は語る・第二章』(日本、土井敏邦)は、その地で長年暮らした住民たちが、原発事故で帰還を拒まれ、その後、味わった辛酸を語っている。土地の愛着がないがしろにされるならば、別の地でも同じ政策が適用されるのを甘受せざるを得なくなるだろう。

           

 

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