ロシアの小学校で教員が撮影するイベントや授業の風景が、大統領の指示後、変貌する。教室では愛国の授業が教えられ、屋外では軍人たちが武器の使用法を指導する。その間、戦死した教え子たちの追悼も行われる。
『プーチンの愛国教室』(デンマーク・チェコ、デビッド・ボレンスタイン)の映像は、教員自身が記録したものだ。指導者に忠実であることを愛国とするならば、犠牲者も途絶えることはない。

ロシアの小学校で教員が撮影するイベントや授業の風景が、大統領の指示後、変貌する。教室では愛国の授業が教えられ、屋外では軍人たちが武器の使用法を指導する。その間、戦死した教え子たちの追悼も行われる。
『プーチンの愛国教室』(デンマーク・チェコ、デビッド・ボレンスタイン)の映像は、教員自身が記録したものだ。指導者に忠実であることを愛国とするならば、犠牲者も途絶えることはない。

意味のある言葉を支える強い歌声と精神。『愛し合ってるかい? 忌野清志郎が教えてくれた』(日本、相原裕美)は、ロッカーとしての生き様が周囲を感化し、後世に引き継がれるまでを記録している。

米軍機が日中、市街地の低層を飛び交うのは、沖縄だけではない。『東京上空300メートル』(日本、大墻敦)は、戦後80年を経ても、国中に基地が置かれ、治外法権を強要されている国の現実を、丹念な調査報道によって明るみにしている。

養鶏場から脱走した鶏が、人間の家族に飼われるが……。『雌鶏』(ギリシャ・ドイツ・ハンガリー、パールフィ・ジョルジ)の主役は鶏。8羽の雌鶏が場面ごとに主役を務め、危険な地上で生き抜く姿を実演している。

米国の貧しい家庭に生まれた黒人の少年が、差別から逃れるために海兵隊に入隊するが、ベトナム戦争の従軍で悲惨な体験をし、帰還後もPTSDに苦しむ。『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』(日本、塚本晋也)が描くのは、加害者でもある彼の贖罪であり、立ち直りである。彼をそのような事態に追い込んだものは、なにか。無関心ではいられないだろう。

厖大な美術品を収集し、維持するには、相応の国力と文化の理解力が要る。『百花繚乱~海を越えた江戸絵画』(東京都美術館)が感じさせたのは、貯蔵していた大英博物館を有する国との違いである。

漫画家志望の少女たちの青春が時代と共に変貌する。『ルックバック』(日本、是枝裕和)がアニメ版と異なるのは、風景や事件が、映像によって、より実感できることだ。ペン画を経てタブレットに転換する画法の変化も、時間の喪失を感じさせるのである。
