2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

扉を開くために

日常生活を安全に平穏に過ごすための術も必要で、ルールや決められた行動や嗜好が安全域にあるんですけれど、不思議なことにそれだけでは人間は窮屈になってくる。SFは自分の自由感覚を取り戻すのに一番よい扉なんじゃないでしょうか。(萩尾望都『私の少女…

恐竜の明日

檻から出た恐竜を始末すべきか。『ジュラシックワールド 炎の天国』(米国、J・A・バヨナ)は、娯楽の王道というべき凝った撮影でハラハラドキドキさせつつ、『猿の惑星』的な人類への問いかけを突きつける。

謎の少女

ハン・ソロと久しく離れていた間、抜け出せない世界に入り込んでいた幼なじみ、キーラ。アナザーストーリー『ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー¥』(米国、ロン・ハワード)は、旧作でおなじみのメンバーにいなかった謎の美少女が、サスペンスを生んで…

異議としてのフィクション

血のつながらない家族の犯罪。新聞の3面記事なら糾弾されて、おしまいというエピソードの背景を、是枝裕和は、柔軟に想像し、丹念に構成する。 『万引き家族』(日本)は、フィクションの特性を存分に生かした力作だ。 単純な道徳観で判断しがちな世間への異議…

生きるための会話

スキャンダルで女優を休み、異国で時を過ごす女。シリアスになりそうな設定であっても、軽妙に語るのが、ホン・サンス。『夜の浜辺でひとり』(韓国)は、仲間たちとの会話で芽生えたものが、いつのまにか彼女を救う。

妥協は要らない

相互の安易な和解もない。共感を求めようと言う迎合もない。『母という名の女』(メキシコ、ミシェル・フランコ)の母娘は、お互いが己を貫くことで、子どもの養育権を巡って、それぞれにふさわしい決着がつく。

小世界の物語

出版社の社長に、妻・愛人・新入社員という3人の女がかかわる愛の悲喜劇。『それから』(韓国、ホン=サンス)は、小世界のモノクロ映像にとどめることで、描かれていない物語への想像力を一層引き立てる。

スタジアム

グラウンドで駆け回る選手、大いに飲み食いしプレイに歓喜する観客、準備から後始末までスタジアムの職務に専心する働き手……。膨大な金が動くアメリカンフットボールの試合の運営には、大学OBによる巨額の資金援助も欠かせない。 『ザ・ビッグハウス』(米…

絵の夢

ただ絵を並べたてるだけではない。 絵には実人生が重なり、物語がある。日常に色合いを付け、叙情性をかき立てるのである。

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