2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

かじ取り

アベさんの強みはマジなことだ。本気で良かれと思っている。悲願ではなく指名、改憲しなくてはこの国はダメだと、まったく迷いがない。そのために勝つ選挙を、問題点そらしを、うまい広告を打つが、本人はズルをしているとは思ってない。この国を良くしなく…

生きる手段

『幸せのありか』(ポーランド、マチェイ・ピェプシツァ)の青年は、実在した脳性麻痺の男がモデルだ。 言葉を話せない。体も満足に動かせない。理解力や意志力があるにもかかわらず、内面を伝えるすべがなく、20年余りの間、他者から認めてもらえなかった。…

結婚の内実

浮気した夫に復讐するため、偽装工作もいとわない妻。 『ゴーン・ガール』(米国、デビッド・フィンチャー)では、失踪した妻を殺した疑いで、夫がメディアや警察に追及される。 はたして、妻は戻ってくるのか。それとも、計画どおりに自死するのか。 事はそ…

青春の現役

どこまでがドラマか。『超能力研究部の3人』(日本)は、SF映画に臨むアイドル女子の疑似メイキングフィルム。先の読めない展開こそ、まさに青春だ。 監督の山下敦弘も、企画の秋元康も、手慣れた手法をあえて外した。冒険に挑むことで、自身の青春の現役…

心の声

チェルフィッチュ『スーパープレミアムミソフトWバニラリッチ』(神奈川芸術劇場)は、コンビニ店員のすったもんだが、コント調に活写される。単なる笑劇ではない。システムの功罪と個人の呪縛と自由が巧妙に演出され、長いタイトルのアイス名も、アイデン…

地点

もし本当にぼくの書いたのが普遍性に届いているのだとしたら、それはきっと僕が普遍性のあるものを書こうとしなかったから起こったことだ、というふうに考えるだろう。(岡田利規『現在地』河出書房新社) 固有のものを突き詰めることで、個を超えた地点に到…

昔あったこと、今あること

成田空港建設に絡む抵抗は、現在もいまだに続いている。『三里塚に生きる』(日本、大津幸四郎・代島治彦)は、運動にかかわった地元農民の今を映す証言録だ。 土地政策に対するスタンスは住民によって千差万別だが、仲間の自死は、各々に今日までも傷を残し…

浮浪作家

素材はいたるところに転がっている。使えそうな着想には思いがけず出くわすもので、その尻尾をひょいと釣り上げさえすればよい。そうすれば新しい扉(とは言わぬまでも窓)が開き、巷で言われるごとく新鮮な風がどっと吹き込む。(トーベ・ヤンソン、冨原真…

原発事故から遠く離れて

福島第一原発の事故直後よりも、日数が経ってからのほうが、住民の生活や内面は、より深刻化している。 立場の相違、思惑のずれ、待遇の差……。 『フタバから遠く離れて 第二部』(日本、舩橋淳)は、県外の学校や、仮設住宅に避難した双葉町住民や町長らの思…

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