生きる手段


『幸せのありか』(ポーランド、マチェイ・ピェプシツァ)の青年は、実在した脳性麻痺の男がモデルだ。
 言葉を話せない。体も満足に動かせない。理解力や意志力があるにもかかわらず、内面を伝えるすべがなく、20年余りの間、他者から認めてもらえなかった。そんな彼でも意思を伝達できる手段が発見されたのが、救いだ。
 まず、表現手段を持つこと。他者のいる世界で生きるための、第一歩だ。

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