2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

見えないもの

目が見えるからこそ、見えていないものがある。『エマの瞳』(イタリア・スイス、シルビオ・ソルディーニ)のプレイボーイは、目の見えない女に惹かれて、ようやく気付くのだ。

敵の存在

「結果が出にくくなり、年齢に適したフォームを探し始めたことが、迷い道への入り口だった。センチやミリ単位にこだわる試行錯誤を始めた時点で、衰えの兆候があったと言うことだ。……イチローならば、オリックス時代の「振り子打法」のような、ゆったりとし…

盆踊り

震災で人が去った町。伝統を残すためには、盆踊りを復活させることだ。 『盆唄』(日本、中江裕司)では、事情を抱える町人たちが歌い、踊り、太鼓を叩く。

日米関係

日米の関係は、一本線ではない。常に別の要素を見る必要がある。

自粛

昭和の終わりも平成の終わりも、自粛が再燃。国の風土は変わらない。

出生の異議

映画『金子文子と朴烈』(韓国、イ=ジュンイク)では文子の人格形成の経緯が見えにくいが、獄中手記の『何が私をそうさせたか』(岩波文庫)では、当時許されなかった自我の目覚めが率直に綴られている。 人は出生時に性も家庭も選べない。そのことで制約を…

発見の余地

常に変化し、発見の余地を残す葛飾北斎。現代においても、なお語りつくされたわけではない。

脱却

漫画『トクサツガガガ』の原作者、丹羽庭は、オタクの正当化を否定する。人とは絶対に分かり合えないし、誰かに肯定してもらおうと期待することもない(『朝日新聞』3月2日夕刊)。 諦念と成熟、少数派の断固たる主張。異色作のヒットには、既成概念からの脱…

世界が終ろうとしても

終末期を匂わせる世界で、信仰心を失い、人をも信じられなくなった牧師。それでも生きていくのか。 『冬の光』(スウェーデン、イングマール・ベルイマン)は、深遠な思いの込められた映像詩である。虚無的でありながらも、魂を焼き直すかのようだ。

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