2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

マイノリティーを超えて

人種・性、そして音楽。すべてマイノリティーだったが、マイノリティーを超越した。 『ボヘミアン・ラプソディ』(米国、ブライアン・シンガー)のヒットには、時代に望まれた要素がある。

家族の劇場

引きこもりの息子にだけ異変があったわけではない。父も母も妹や親類も、何かしら異変があったのだ。『鈴木家の嘘』(日本、野尻克己)の一家は、息子の自死をきっかけに奇行が鮮明になるが、混乱も収拾も、一家族だけの物語ではない。すべての家族は、悲劇…

無限の絵

同じようなポーズがいくつもの絵に描かれている。それぞれ違う絵だ。 モチーフが限られていても、絵は無限に創造できる。

挑戦の代償

『恐怖の報酬』(米国、ウィリアム・フリードキン)は、旧作とは別物の野心作だ。 主人公の危険な挑戦と代償は、映画の制作と興行とも、重なって見える。

小説の様

吉田 滑稽感、笑い、そういうものがなきゃ、ことに小説なんて様にならないじゃない。 丸谷 そうなんです。普通の人間ならみんな滑稽なものだし、また、そういう人間が登場する世界だからこそ、ついでに信用するというものでしょう、小説って。…… (吉田健一…

狂気の向こう

女優姉妹の栄枯盛衰と確執。 『何がジェーンに起ったか?』(米国、ロバート・アルドリッチ)は、愛憎のサスペンスだが、狂気の向こうに切なさがある。

作り物の力

『ギャラクシー・クエスト』(米国、ディーン・パリソット)は、『スタートレック』のパロディーだが、原作を嘲笑しているどころか、物語をたたえ、愛をささげている。 願望が実現されていない現実よりも、夢をかなえた物語のほうが、逆境では力になる。作り…

奔放な物語

『半分、青い。』(作・北川悦吏子)は、バブル回顧の象徴と言うべきか、一貫性のない展開は、構成が下手なのではなく、狙いなのだろう。物語のいい加減さが、魅力でもある。 一度しかない人生。失敗やハンディを引きずらず、次々に転換する奔放さも、必要な…

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