家族の劇場

 引きこもりの息子にだけ異変があったわけではない。父も母も妹や親類も、何かしら異変があったのだ。

『鈴木家の嘘』(日本、野尻克己)の一家は、息子の自死をきっかけに奇行が鮮明になるが、混乱も収拾も、一家族だけの物語ではない。すべての家族は、悲劇であり、喜劇の劇場なのである。

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