2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧
ジブリは、ディズニーのように、世界中どこでも楽しめる゙グローバル・スタンダード゙にはこだわっていません。それこそぼくと宮さんの毎日の世間話のなかから、自分たちが追求してきた映像技術のなかから、結果としで時代性と普遍性゙が立ち上がってくるよう…
旧ユーゴスラビアの栄光と崩壊を描いた群像喜劇『アンダーグラウンド』(フランス・ドイツ・ハンガリー、エミール・クストリッツァ)。登場人物も話も奇妙奇天烈だが、音楽とテンポの良さで全編を引っ張る。 世界の地下には、こんなエネルギーがまだ眠ってい…
写真家マイ・ブリッジの人生と、母娘の夢。 短編アニメ『マイブリッジの糸』(日本、山村浩二)で、二つの世界のつながりを感じ取れるかどうかは、観客の思考に委ねられている。
小さな物語に回帰したもの同士をどう調整するか、というのが21世紀の課題だと思います。そこで、僕は、「ゲーム」という比喩が有効だと思うわけです。画一的な大きなシステムと、多くの小さな物語が存在している世界は、「大きなゲーム」+「小さな物語」と…
『サヴァイヴィング ライフ ―夢は第二の人生―』(チェコ、ヤン・シュヴァンクマイエル)で描かれるように、幼少期の体験は、夢に関係しているかもしれない。 だが、影響度がわかったとしても、人は、それだけで充足するわけではない。
偽の地位、偽の絵。 狙われる側が生き残るためには、偽物を利用すればいい。 ユダヤ人がナチスから絵画と家族を守る『ミケランジェロの暗号』(オーストリア、ヴォルフガング・ムルンベルガー)は、全編、偽物をめぐる物語となっている。 偽物も使いようであ…
子どもを失った主婦が出入り業者と浮気して、自ら立ち直ろうとするが、夫も隣人も、彼女の知らないところで、不穏な態度をとっていた……。 ポツドールの『おしまいのとき』(下北沢、サ・スズナリ)は、昼メロ風のドラマから一転、善人に見えた周囲の人間が豹…
自伝執筆のためのゴーストライターとして、英国元首相の滞在地を訪れた男が、真実を知るにつれて、危険な目に遭う。 『ゴーストライター』(フランス・ドイツ・英国、ロマン・ポランスキー)では、首相が記述した原稿の平凡な箇所に、一家の秘密が潜んでいた…
エッシャーの石版画『カストロバルバ』について、生物学者の福岡伸一が指摘している。 もしこの風景を写真に収めたとしたら、決してこのように見えることはない。見上げる視点と見下ろす視点、そして遠望と今歩いている道。これら多視点がひとつの画面の中に…