2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧
秋: 基本的に多分、世の中の人から見るぼくはすごく策士で、すごく計算して仕掛けている感じに見えるのかもしれないけど、そんなことはほとんどないんだよね。なぜなら、高校生のアルバイトから始まって、次に何か面白そうなことがあるったらそこにただ浮遊…
描く喜び。 想像のエネルギー。 『草間彌生 わが永遠の魂』(国立新美術館)の絵画たちは、どれもが巨大で、情熱的だ。
再放送された山田太一の連続ドラマ『それぞれの秋』(BS- TBS)は、父が脳腫瘍に倒れたことで、バラバラだった家族が、寄り添うようになる。 語り手の次男をはじめ、それぞれに二面性があるが、犯罪を起こすほどのふてぶてしさはない。弱さゆえに本音に徹す…
柴崎 政治とか社会の状況が語られるときって、特に目立つ場では同じようなロジックでばかり語られやすいですよね。それとは何か違うもの、違う回路や尺度、考え方を持ち込んだり、穴を開けるとか別の場所を開くことができるのが小説の醍醐味だと私も思います…
大惨事後、人類のいなくなった世界。ローリ=ニックスとキャサリン=ガーバーがミニチュアで作るのは、そんな光景だ。 建物や部屋は、使う人間が生きていることで、生かされる。人間が死ねば、ただの残骸だ。 『ナショナル ジオグラッフィク』4月号に掲載さ…
『がんばれ!ベアーズ』(米国、マイケル・リッチー)は、弱小野球チームが奮起して快進撃を続けるという、いわゆるサクセス・ストーリにとどまるものではない。飲んだくれの監督を目覚めさせる子どもたちの純粋さや、少年少女に潜む可能性を、野球に打ち込…
哀しいラブストーリーだが、愛すべき映画。『ラ・ラ・ランド』(米国、デイミアン・チャゼル)は、新旧ミュージカルへのオマージュだ。 夢をかなえるには、もう一つの夢を捨てなければならない。だが、それを不幸とは言えないのだ。
人は、番号ではない。その他大勢の一人でもない。『わたしは、ダニエル・ブレイク』(英国・フランス・ベルギー、ケン・ローチ)には、労働者個人の主張がある。 ダニエルは、病気で大工の職を失う。技能がないために転職先もないし、保証金さえ打ち切られよ…