『がんばれ!ベアーズ』(米国、マイケル・リッチー)は、弱小野球チームが奮起して快進撃を続けるという、いわゆるサクセス・ストーリにとどまるものではない。飲んだくれの監督を目覚めさせる子どもたちの純粋さや、少年少女に潜む可能性を、野球に打ち込む姿によって浮き上がらせたのだ。
卑屈でベンチ裏に座るだけの少年も、試合で活躍したい。強がって見せる不良少年は、人とつながりたかった。
本当の思いは、グラウンドで発揮される。結果がどうであれ、「がんばれ」とたたえられるのにふさわしい、プレイを見せたのである。