2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

楽園の妨害者

美しい女たちの楽園で、突如現れた男は、じゃまでしかなかった。『The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ』(米国、ソフィア・コッポラ)は、南北戦争のさなか、争いをもたらすのは、男なのだと警告するかのようだ。

詩の散策

詩、コレクション、写真。詩人のすべてがアートだ。 『谷川俊太郎展』(東京オペラシティ アートギャラリー)は、散策するだけでよい。

装丁の魅力

デザインの良さで、ひきつける本の魅力。『平野甲賀と晶文社展』(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)は、手に取ることのワクワク感を演出してきた装丁家の魅力を、再認識させる。デザイン以外の分野への好奇心が、デザインをより鋭敏にしている。

血縁の救い

仲の悪い二人が衝突の挙句、わかり合うという話ならいくらでもあるが、『犬猿』(日本、吉田恵輔)は、兄弟・姉妹それぞれが、生死をさまよう事態を経験しても、互いのスタンスを変えることなく、いがみあう。対立し、差異を実感することで、お互いをより認め…

美しいアクション

無実の罪で追われる男と、追ううちに協力者となる刑事。『マンハント』(中国、ジョン・ウー)は、『君よ憤怒の河を渉れ』の再映画化だが、福山雅治をはじめとするキャストのアクションが、芸術的な美しさを見せる。

日本画の余白

余白が想像力をかきたて、背後には宇宙を感じさせる。 『横山大観 ―東京画壇の精鋭―』(山種美術館)の日本画である。

現実の見方

衣類加工の零細業者で働く人たちを、ただ映しているように見えながら、構成にもカメラワークにも、周到な計算がある。ドキュメンタリー『苦い銭』(フランス・香港、ワン・ビン)のスリリングな面白さは、目の前のものを見落とすまいとする監督の執念によっ…

作劇の醍醐味

いそうもない人物と予測不能の展開。『スリー・ビルボード』。(米港、マーティン・マクドナー)は、殺された娘の捜査を促すため、田舎町の主婦が立てた看板が、思わぬ事態を引き起こす。作劇の醍醐味を再認識させる快作だ。

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