2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

新鮮な才気

銭湯の殺人。東大卒のフリーター。犯罪生活の癒し。違和感覚える要素を組み合わせ、不可思議な味わいだ。 『メランコリック』(日本、田中征爾)には、新鮮な才気がある。

遊びの空間

遊びとしてのワクワク感は、どこにあるのか。芸術的発想や技巧とは、別のところだろう。

二面性

虚偽の噂を訪問先の女に流され、結婚話も仕事も失った女。復讐のため、相手の恋人に接近して、奪い取ろうとする。 『よこがお』(日本・フランス、深田晃司)で、一番、目を引くのは、理不尽な運命に翻弄されて堕落した主人公の看護師ではない。愛憎を抱いて…

恐竜の謎

研究の対象は、現存するものだけではない。絶滅した生物の謎は、人類の興味を絶やさない。

知を守るために

公共施設としての役割に徹しつつも、資金確保のための試みを怠らない。知の殿堂としての位置にあぐらをかくことなく、企画や予算編成にも細心の注意を払う。 『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』(米国、フレデリック・ワイズマン)は、世界有数の図…

時が経てば

後世の者にとって、過去の世界は遺物から想像するしかない。戦乱のあとも、栄華の極みも、時が経てば、消えてしまうのである。

モノクロの愛

冷戦下のポーランド。亡命したピアニストと、舞踏団に残留した歌手が、国や時代を超えて、関係を重ねる。 すべては、つかの間の幸福。『COLD WAR あの歌、2つの心』(ポーランド・イギリス・フランス、パベウ・パブリコフスキ)は、モノクロでしか成立しえな…

寝たきり歌人

寝たきりで早朝から痛みに苦しみ、排せつさえ、人に任せざるを得ない遠藤滋。助けてもらうには、すべてをさらけ出すしかない。 ベッドの上で35年、生きてきた。大勢の介助者も、彼とかかわることで、生活に張り合いを持てるようになる。遠藤と向き合うには、…

肉体の問いかけ

元夫の老人、娘に子を産ませた父、売春の常連客だった夫。『三人の夫』(香港、フルーツ・チャン)の女は、男たちに振り回されながらも、異常な性欲であらゆる男を凌駕する。 男に支配されそうになりながらも、思うがままにはならない。陸地ではなく、船の上…

アクセスカウンター