2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧
携帯電話に残されたわずかな手がかりから、娘をさらった犯人たちへの接触手段を割り出す。 『96時間』(フランス・米国、ピエール・モレル)の父親は、元CIA工作員ならではの情報収集力と執念を見せる。 17歳の娘にとって、危急時にこんな父親がいれば心強…
『縞模様のパジャマの少年』(英国・米国、マーク・ハーマン)では、いたずら心から収容所に潜入してしまったばかりに、ドイツ人少年が悲劇に見舞われる。 運命は残酷だ。 少なくとも、塀の中にいるわけでもなく、ガス室に放り込まれることもない点だけでも、…
「一流の遅いピッチャーは相手に向かっていくんです。体に近いところにわざと投げたり、ど真ん中狙ったり。そういう強気の球を入れていかないと相手が引っかかってくれないから。……球が遅くても、体が小さくても、いく。そんな選手がプロでも残るんです」(…
人間ならガラクタと思って捨ててしまうような古い人形たち。 『屋根裏のポムネンカ』( 日本・チェコ・スロヴァキア、イジー・バルタ)の人形たちは、人間の知らない世界を楽しんでいた。青い目の少女人形は屋根裏のアイドル。彼女が悪の支配者にさらわれ、…
旧時代の学生運動や運動部のごとく、若者が精神論をわめき叫ぶ現代版『蟹工船』(日本、SABU)と違い、『バーダー・マインホフ 理想の果てに』(ドイツ・イタリア・チェコ、ウリ・エデル)の青年テロリストは、残虐性はともかく、対象の選定も報復手段も…
家族のために志を捨てて打算的な手段で金を稼ぐことがあたかも美徳であるかのような意識が、日本人にはある。 『3時10分、決断のとき』(米国、ジェームズ=マンゴールド)の牧場主が、家族に見せた生き方は違った。強盗団のボスが、あえて逃走をせず、護送…
「人の意見を聞きすぎると、純度が下がっていくからダメですよ。見やすいとか、分かりやすいものになるかもしれないけど、その代わりに失うものも大きい」(本谷有希子談―劇団、本谷有希子『来来来来来』の公演プログラムから) 本公演(本多劇場)では、鳥…
イスラエルは、インターネットに特化した情報工作部隊を発足した。政府批判の記事に対抗することが目的であり、国籍を隠してコメントを投稿したり、親イスラエルのブログを立ち上げるのだという。(「国際短信」『週刊金曜日』8月7日・14日合併号参照) 情報…
被爆した妻、寝たきりの母、結婚する息子、成長する孫……。 アマチュアだった川本昭人が8ミリで撮影し続けた家族の記録『妻の貌』(日本)には、苦難も喜びも生死も体感しつつ、生き続ける人間の姿がある。
ごちゃごちゃした田舎の大家族とバーチャル世界の空間を結びつけるという離れ業を達成した『サマーウォーズ』(日本、細田守)。 一家だけではなく、仮想空間を利用する世界中の人々が、宿敵の打倒に協力するという展開は、一握りの人間だけが世界を相手にす…