2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

この世界で生き残るために

高級ホテルで無差別テロが侵入。特殊部隊の救援が遅れ、宿泊客は自力で避難するしかない。ホテルマンたちは、宿泊客を救出するため、献身的な働きをする。 『ホテル・ムンバイ』(オーストラリア・米国・インド、アンソニー・マラス)の事件は実話だ。 格差…

アニメの手ごたえ

伝説のアニメ『太陽の王子 ホルスの大冒険』(日本、高畑勲)では、村人の排他性や、魔女の二面性も、見逃してはならない。アニメだからこそ、より鮮明に刻印できるものもある。この手ごたえが、アニメ制作を今日まで持続させたのだ。

ドラマがドラマであるために

暑苦しい勘違い男の一方的な愛情と、受け止める女のずれた関係。『宮本から君へ』(日本、真利子哲也)は、容易には成立しえないキャラクターをリアルに見せる。 ドラマがドラマであるための快楽が、全編、みなぎっている。

映画は続く

『アド・アストラ』(米国、ジェームズ・グレイ)は、親子2代の宇宙飛行士が地球外で再会するSFの設定を使いつつ、親子の使命観や人類の行く末など、哲学的主題を思索させる。 過去の映画を連想させる場面が随所にあり、映画の連続性を改めて認識させるので…

雄弁な色彩

アニメ『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』(フランス・デンマーク、レミ ・シャイエ)のヒロインは、行方不明の祖父を探すために北極点を目指す少女だ。19世紀のロシアが舞台という古典的題材をシンプルなアニメ画で表現すれば、単調になりかねない…

映像の美学

いわゆる現実の風刺劇ではない。船頭が渡し船に固執し、文明批判を体現するように見せながらも、力点は映画的な空間と映像美の披露にある。 『ある船頭の話』(日本、オダギリジョー)が成立するのは、映像の美学が貫かれている間だけだ。船頭が橋の完成によ…

現代の西部劇

先住民との闘いで英雄だった男が、任務のために宿敵の酋長を護送する。現代の西部劇『荒野の誓い』(米国、スコット・クーパー)は、ひたすらシリアスに徹し、甘いロマンスや爽快な決戦の要素を踏まえつつも、そうはさせまいという断固たる意志が貫かれてい…

音楽の魂

ナチスドイツへの抵抗から始まった斬新なサウンド。『ブルーノート・レコード ジャズを超えて』(スイス・米国・英国、ソフィー・フーバー)は、一時の停滞期からヒップホップを通じてよみがえった名門レーベルの歴史を忠実にたどっていく。 形式を変えても…

悪魔的世界

社会主義崩壊前の農村。金をむしり取ろうとやってきた男たちが、卑俗な農民たちをだまして金を得ようともくろむ。『サタンタンゴ』(ハンガリー・ドイツ・スイス、タル・ベーラ)の製作は1994年だが、エピソードは古典的で、映像は神秘的なモノクロだ。 上映…

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