2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧
駅を去り、旅する老機関士。追う青年警手。 友愛が永久に続くわけではない。 老人が娘夫婦の車に乗り込んだとき、青年は同席の誘いを断る。これからは別々の道をたどるのだ。 『ジャライノール』(中国、チャオ・イエ)の表題は、内モンゴル自治区の町。炭鉱…
腰痛に襲われ、恋人には振られ、店は倒産寸前……。一難去ってはまた一難。 『ソウル・キッチン』(ドイツ・フランス・イタリア、ファティ・アキン)の料理店主は災難続きだが、最後は料理と音楽が彼を救う。 店は魂の地なのだ。
鏡張りの部屋に滝の映像が流されている。床に立つと、まるで穴に落ちていくような錯覚に陥った。 『小谷元彦展 幽体の知覚』(六本木・森美術館)の作品「インフェルノ」である。 怖くなって、すぐに部屋から出た見物人もいる。 落ちることの恐怖は、我々の原…
人生はまだ編集していないラッシュフィルムのようなものだ。それは編集しなくてはいけない。編集することで初めて芸術になる。 (アッバス・キアロスタミ談「人生は未編集のフィルム」『日本経済新聞』19日夕刊) 作家性は、編集の仕方に表れる。
恋人に振られた天才ハッカーが、腹いせに作ったソーシャル・ネットワーキングサービスで、大成功。ところが、事業が軌道に乗るにつれて、仕事仲間とも仲違いする。 『ソーシャル・ネットワーク』(米国、デヴィッド・フィンチャー)には、インターネットの周囲…
「年賀状は元旦に届かねばならぬ」という考えを変えてはどうか。 (姫野カオルコ「年賀状の新ルール提案」『日本経済新聞』5日夕刊) 日常における余分な忙しさの多くは、雑務の奇妙な慣習が招いている。
年下の恋人ではない。孫でもない。孫を装った親切な他人である。 そんな青年が相手であるために、老女は自分の心を開き、寛容になる。 『クレアモントホテル』(英国・米国、ダン・アイアランド)には、高齢化社会の人間関係のヒントがある。
『キック・アス』(米国・英国、マシュー・ボーン)では、アメコミのスーパーヒーローに憧れる少年を有名にしたのも、彼が悪党にいたぶられる残酷さを知らしめたのも、You Tubeでの中継だ。 動画が影響を与えたのは、視聴者が内容を真実と受け止めたからであ…
人口問題が重要なことは確かだが、資源をどう消費するかを見直すほうがはるかに重要ではないか。 (「70億人の地球」『ナショナルジオグラフィック』1月号) 必要な物資の見極めは、家庭内だけにとどめず、世界全体でも実践したほうが望ましいだろう。