2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

聞く

「聞くとは、自分自身の身体からわきあがるものをひとまず押さえ込んで相手の言葉に細心の注意を払い、しかもただ受け止めるだけではなく、いまのいままで考えもしなかった、自分自身をも驚かすような表現が口をついて出るほどの反応を可能にする行為なのだ…

板ばさみ

「デザイナーとしてはカタチを洗練させたい。しかし絵描きとしては洗練されたカタチはつまんない。この板挟みの中に、自分が見落としている重要な事柄がある気がしているんですが、よくわかりません」(紀藤文平「疑モンモン」『週刊金曜日』9月25日号) 板…

創造の源泉

女性の生き方も衣装も不自由だった時代に、彼女は、ドレスに不満でカーテンを切り裂いて服を仕立て、海辺の婦人たちの服装にも、違和感を口にする。 既製のデザインに不満がなければ、新しいデザインを考えようなどという気にはなるまい。 『ココ・アヴァン…

愛の表現

「十八世紀の恋の文句や、愛の表現は現代人の我々の感覚には肌に合わない。合わぬどころか、それはかえって我々には大時代的な、誇張されたものに見えるのであります」(遠藤周作『十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜…

世界の創造

画像がいかに精密であっても、実写に近付けば近付くほど、絵としてつまらなくなるというのが、CGアニメの陥りがちな病である。 『ホッタラケの島 遥と魔法の島』(日本、佐藤信介)は、そんな病に感染していない。 キャラクターも背景も、現実とは異なった感…

書く快感

穂村 小説だったらもうこの先二度とそれを読む人がいなくても書こうとする理由は何ですか? 川上 それは多分、書くっていう事が単純に編み物をするという感じの……。 穂村 快感? 川上 そう、快感ですね。人さまに見せるためには辻褄を合わせたり、お話を最後…

共同生活

『南極料理人』(日本、沖田修一)は、料理人の目を通して、基地と家庭の日常を対比する。 共同生活でのぎくしゃくは、どちらの世界にもあるが、料理の腕前が隊員や家族のわだかまりをほぐしていく。 ぎくしゃくを解消する手段は、人それぞれだろう。

本物のアクション

特撮の進歩のあまり、よほど派手な場面でない限り、観客は驚かなくなった。 だからこそ、特撮に頼らない『グッド・バッド・ウィアード』(韓国、キム・ジウン)の荒野における長時間の銃撃戦は、貴重だ。 スポーツをライブ観戦するときのような興奮を覚えるこ…

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