2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

コロナ後を生きる

村上洋一郎編『コロナ後の世界を生きる』(岩波新書)では、他分野の識者が解析や提言を試みている。 出口治朗は、14世紀のペストがルネッサンスを生み、15世紀のコロン交換で食料の均霑(きんてん)が進み、1918年のスペイン風邪が第一次大戦を終わらせたこ…

崩壊に耐えるもの

戦時中の愛国的行動を忘却せず、戦後も心の傷を引き受け、立証の難しい集団自決の記述で名誉棄損の訴えを受けて、ぼろぼろになって立ち往生する作家。彼に共感する加藤典洋は、著書に記している。 そこに生きているものを、敗者の想像力と呼べば、その場合、…

スタントへの敬意

映画の見せどころを支えるスタントウーマン。男性優位の世界で実力を示し、危険と隣り合わせの中で長年勤めあげるのは容易ではなかったはずだ。『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』(米国、エイプリル・ライト)では、体験を語る新旧の…

福は身近に

長年仕えた映画監督の急死で失職した中年プロデューサーの自分探し。『チャンシルさんには福が多いね』(韓国、キム・チョヒ)がホン・サンス風の会話劇と異なるのは、エピソードや場所の移動がそこそこあり、幽霊の登場や空想的なラストなど、遊び心もある…

ゾンビ・アクション

ゾンビ・アクションの続編『新感染半島 ファイナル・ステージ』(韓国、ヨン・サンホ)は、列車内アクションの前作『新感染 ファイナル・エクスプレス』と違い、元軍人の男と、母娘が、大金回収のため、凶暴な民兵集団にノンストップで立ち向かう。半裸の男…

埋もれた言葉

古典というほど古くはない。斎藤美奈子『中古典のすすめ』(紀伊国屋書店)は、1960年~90年代までのベストセラーを現代の目で判定する。結果はさておき、紹介本から引用された警句は、今日にも通じるだろう。 丸山真男『日本の思想』は、「保守勢力も進歩主…

ジブリのアーヤ

スタジオジブリ初の全編3DCGとなる『アーヤと魔女』(宮崎吾朗)。主人公の少女アーヤは、これまでのキャラクターのような清純で正しいタイプとは異なり、したたかで、生活力もある。孤児として育ったからと言って、意固地になるわけでもない。それどころか…

政策の犠牲者たち

クメール・ルージュ支配下のカンボジアを舞台に、離れ離れになった母子の再会と越境をアニメ化した『FUNAN フナン』(フランス・ベルギー・ルクセンブルク・カンボジア、ドゥニ・ドー)。ありえたであろうエピソードをうまく組み入れ、1975年当時の同国の悲…

音楽の街で

音楽の街で繰り広げられる男女の模索。『ソング・トゥ・ソング』(米国、テレンス=マリック)は、音楽と映像の合間に、パティ=スミスやイギー=ポップやの言葉が響く。

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