2018-12-14 小説の様 吉田 滑稽感、笑い、そういうものがなきゃ、ことに小説なんて様にならないじゃない。 丸谷 そうなんです。普通の人間ならみんな滑稽なものだし、また、そういう人間が登場する世界だからこそ、ついでに信用するというものでしょう、小説って。…… (吉田健一・丸谷才一「読むこと書くこと」―『吉田健一対談集成』講談社文芸文庫) あまりに深刻、あまりに平板……。読者が付き合うべきなのは、勘違いして書かれた小説ではあるまい。