かじ取り

 アベさんの強みはマジなことだ。本気で良かれと思っている。悲願ではなく指名、改憲しなくてはこの国はダメだと、まったく迷いがない。そのために勝つ選挙を、問題点そらしを、うまい広告を打つが、本人はズルをしているとは思ってない。この国を良くしなくてはいけないのだから。……だから彼の対抗軸に良識を持ち出したらかなわないだろう。……私にとっての争点、照準は「戦争」か「平和」か、でしかない。(石坂啓週刊金曜日』19日号)


 自分に疑いを持たぬ者にかじ取りを任せたとき、危険な時代が到来する。
 結果として彼を黙認し、なすがままにさせる限り、暴走を食い止めることはできないのだ。
 危険水域への侵入は突然始まるのではない。最初はゆっくりと進み、徐々に進路を変え、やがて加速する。
 船が沈没したら目覚めるだろうなどと、無責任な態度でいるべきではない。乗組員が何も学習しない限り、万一、立ち直ったとしても、同じことを繰り返し、再び沈没するだろう。そもそも立ち直れるかどうかの保証もない。
 乗員が目を配るべきなのは、船の方向ずれだけではない。船長がかじ取りにふさわしい人物なのかどうか。常に疑う姿勢を忘れてはならない。

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