浮浪作家

 素材はいたるところに転がっている。使えそうな着想には思いがけず出くわすもので、その尻尾をひょいと釣り上げさえすればよい。そうすれば新しい扉(とは言わぬまでも窓)が開き、巷で言われるごとく新鮮な風がどっと吹き込む。(トーベ・ヤンソン、冨原真弓:訳『作家のメモ』――『トーベ・ヤンソン・コレクション4 石の原野』筑摩書房収録) 

 公園に座る浮浪者の夢想である。

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