人も地に眠る

 19世紀後半、布教活動のため、植民地アイスランドの村に移動したデンマークの宣教師が、恐るべき自然と、粗野な村人に翻弄される。『ゴッドランド』(デンマークアイスランド・フランス・スウェーデン、フリーヌル・パルマソン)は、慣習の違いを超えて彼が村人と心を通わせるなどというやわな展開を拒む。融和するかに見せて、ことごとく突き放し、最後は人間の存在を越えて、風景の移り変わりのみを俯瞰する。いがみ合った人間は、骨となり、家畜の馬と同様、地に放り出される。風雨にさらされ、消え失せるのである。

      

 

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