名キャスター

 インターネットで情報を得る人びとが増えているが、感動的に共感しやすいものだけに接する傾向が見られ、結果として異なる意見を幅広く知る機会が失われている。そして異質なものに触れる機会が減ることで、全体を俯瞰したり物事の後ろに隠されている事実に気づきにくく、また社会の分断が進みやすくなってもいる」(国谷裕子『キャスターという仕事』岩波新書

 報道番組『クローズアップ現代』に長年携わった名キャスター。番組を支えたのは、国谷の誠実な姿勢だ。安易な見方に流されることなく、常に事象の前で立ち止まり、複眼的に見つめ直した。限られたスペースの中でも、提言すべきことを提言したのである。

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