国の良心

 同時多発テロ被害者への補償金分配に政府が着手したが、収入によって支払額が異なることに遺族の団体が異議を唱える。効率と現実性を優先させようとした弁護士は、遺族それぞれの事情を知るにつれ、器械的な数値分析では果たせない救済の不足点を知る。

 実話をもとにした『ワース 命の値段』(米国、サラ・コランジェロ)は、反対派の言い分や、被害者の格差や性差別などにも目を配る。多様性を理解し、民主主義のプロセスをおろそかにしない。米国の良心は健在だ。

                 



 

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