光の当て方

 近年は癒し系家族ドラマに徹していた是枝裕和だが、『三度目の殺人』(日本)は、残忍な殺人犯のドロドロした法定劇だ。
証言を目まぐるしく変えて、弁護士を翻弄する男は、真の悪人なのか。被害者の遺族との関係を知るうちに、合理主義者の弁護士に迷いが生じる。
人間の不可解さは、光の当て方によって、趣が変わる。親愛も冷酷も紙一重だ。

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