作家の誠実さ

mukuku2008-11-30

 語りたいこととかある思い(フット・フェティシズムでもなんでもいい)を一つの幾何学的な物語に組み立てること、読者に与える効果を考えながらエピソードの順序を入れかえること、語り手をどうするか(一人称か三人称か)を考えること、伏線をフェアに張ること、眠る時間を削って何度も細部を考え、ノートを書き換えること――作家の誠実さとはそれしかない。(小林信彦『面白い小説を見つけるために』知恵の森文庫)

 最良の誠実さは、作家自身にとって最も面白い小説を書き上げることでもあろう。

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