小説家の長い日々

 小説を書くということをいつ始めるか、それから、どのように持続するか、どのように新しいところに歩み出すか、書き始めての長い日々に、それに先立つ実のある沈黙の日々をどう生かすか、小説家には様ざまな生き方のモデルがあります。(「大江健三郎記念対談 この小説の新しさと独特さ 大江健三郎×岩城けい」『群像』7月号)

 対談における大江の言葉だ。
 20代で颯爽とデビューした大江と、40代で登場した岩城。二人の道筋は異なるが、作家生活全体で見れば、どちらが最善かは、神のみが知ることだ。
 

アクセスカウンター