小説の未来

mukuku2010-01-31

『ダ・ヴィンチ』1月号でのインタビューに対し、村上春樹は答えている。

 現在の社会は小説家が『文学です』『小説です』と、高見に立って安閑と構えていられる状況にはないし、他の表現形態と同じレベルで真剣に切り結んでいかないと、アクチュアルな表現形態として生き残っていけないような時代になっていることは確かです。

 だからと言って、小説の未来が閉ざされていると指摘しているわけではない。

 小説にできて、それ以外の表現形態にできないことはまだいくつもあります。小説がこれまでにまだやってこなかったこと、やり残してきたことも、いくつもあります。追求しなくてはならない新しいパースペクティブもすぐ目の前にあります。そのことについては僕は前向きな確信を持っているし、若い作家(あるいは作家を志す人々)にも同じように前向きな確信を持って進んで欲しいと考えています。

 小説がやってこなかったこと、やり残してきたことが何なのか。
 問題を発掘するのが、作家の作業なのだろう。

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