生きる女

 体現された女の生き方。現実と小説とのかかわり。二兎社『書く女』は、樋口一葉の生きざまを彼女に影響を与えた大勢の人間を絡めて、浮き上がらせていく。
 場面転換の妙、視点の現代性など、いずれも巧みだ。小説の悲劇性、一葉の薄幸から、逆説的に生きる力を与える作り手の姿勢も、すがすがしい。

アクセスカウンター