インスピレーション

 表現のきっかけは高尚なものではない。きわめて感覚的なものだ。

 何かわからないけれど、これがおもしろそうだというインスピレーションが、まずあるような気がする。
 理屈が先に入ってしまうと、ある意味では解けなくなるようなところがすごくあるように思う。はじめの思いつきは矛盾しているなと思いながら、でも、面白そうだなと思ってやっていると、ある日突然、絶対これだというような感じになっていくことがある。(楳図かずお『恐怖への招待』河出文庫

「絶対これだというような感じ」をつかむのが、表現の苦労であり、楽しみでもあろう。

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