2007-11-18 生命力 逮捕されながらも仕事は通常どおり続き、裁判もいつ終わるかわからない。 カフカの『審判』は、舞台化(松本修・演出、シアタートラム)されたことで、現実というもののけだるさ、滑稽さが鮮明に伝わってくる。 舞台はKが死刑にされる場面で終焉となるが、この世にいる人間は、Kの体験する状態のまま、生き続けなければならない。いわば終身刑である。その状態でありながら、楽しみを見つけて過ごせる者こそが、生命力の備わった者と言えるのだろう。