いのちを食べる

mukuku2007-11-17

 機械に入れられて暴れ出す牛に作業員が近づく。電気棒を当てると、ショックで牛の体が崩れ落ちる。機械が回転し、牛を宙吊りにして運んでいく。
 ドキュメンタリー『いのちの食べかた』(ドイツ・オーストリア、ニコラウス=ゲイハルター)では、家畜や野菜が育成されたり、加工される様子がカメラに収められている。
 豚もりんごも、作業員によって無生物のように扱われている。だからといって、それをいちいち気にしていたら、私たちは食事ができなくなるだろう。
 人間は他の生物のいのちを犠牲にしてこそ、生きていける。一人の人間にかかる食料のコストは膨大なものだ。そう考えると、安易に人口を増やせるものでもない。一方で、生まれたいのちを粗末にできないこともわかる。
 いのちの食べかたを知ることは、いのちの扱い方を知ることでもある。

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