2026-04-28 日記で触れないこと 「川本三郎『断腸亭日乗』と『富士日記』」―『本の雑誌』4月号)で、筆者は永井荷風の日記を単独者のモノローグ、武田百合子の日記を家庭人のダイアローグと評している。家庭団らんのことは細かく書く半面、百合子が、ほとんど触れていない事象は何か。日記であえて触れていないことにこそ、書き手のスタンスがある。川本が指摘するのは、戦争体験者ならではの思いであり、国家よりも大事にした何かである。