救われない選択

 画面の分割はせずとも、複数視点の表現はできたろうが、試みといい、救いのなさといい、ギャスパー・ノエは容赦しない。『VORTEX』(フランス)では、父母も息子も、病的なものをかかえている。ときに正常、ときに極端な彼らが陥る結末は、必然だろう。

 認知症、心臓病、薬物中毒……。救いの道もあろうが、施設暮らしや更生を拒むのも、彼らなりの選択だった。

      

 

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