湿地帯で生きる

 幼少期に家族から見捨てられた女。湿地帯の小屋に一人で住んでいた。美貌に惹かれた男ともいたが、一人は彼女と愛しあった挙句、立ち去って、連絡が取れなくなる。もう一人の男は、死体となって発見された。彼は婚約者のいることを隠していたばかりか、暴力さえ振るっていた。

『ザリガニの鳴くところ』(米国、オリビア・ニューマン)は、彼女の証言を探る法廷ミステリーだが、魅力は生物の美しいスケッチと、孤立した女の生き様だ。生きるための行動を、とがめることはできまい。

      

 

アクセスカウンター