頑なな女

 バカンスを共に過ごす恋人を探しているくせに、どれだけ家族や友人たちが機会を設けても、頑なな態度を崩さない。

緑の光線』(フランス、エリック・ロメール)の女が言い寄る男を片っ端から拒絶するのは、直感を信じているからだ。どれだけ人に誤解されようと、本当の相手とめぐり合うまでは妥協しない。たとえ寂しさのあまり、涙を流そうとも。

 そんな彼女にさえ、共感を覚えさせるのが、ロメールの技芸である。

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