理論派の脳内

 理論派アニメ監督の発想と製作過程。『高畑勲展』(東京国立近代美術館)は、企画書の展示など、工夫を凝らされた催しだ。

 常に新しい試みに挑み、熟達なスタッフの技能を最大限に取り入れ、驚くべき芸術を編み出した異才。時間と予算の超過で会社ともめたやり取りの文書にさえ、情熱が発揮されている。アニメーター出身者のような画力はなくても、詳細なイメージや明確な構図が脳内に備わっていたのは、大いなる強みだった。

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