武器としてのグウタラ

 10年ぶりの再演、五反田団『偉大なる生活の冒険』(アトリエ・ヘリコプター)は、主人公が40代になっているが、働くこともなく、元彼女の家で男がゴロゴロ寝転がったり、ゲームをして暮らすというグウタラぶりは、変わらない。彼は他人を羨ましがるわけでもないし、自分を卑下するわけでもない。自己充足が、欠点どころか、武器になっている。

 彼のような境地にたどりつけば、人を恨んで無差別襲撃に走るようなことはないだろう。ラストで不倫疲れの女を男が慰めるように、自分の世界を保って生きてさえいれば、どうにかやっていけるものなのだ。

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