2014-05-16 日常と狂気 娘を誘拐された父ができることは、自力で関係者の口を割らせることだ。 『プリズナーズ』(米国、ドゥニ・ビルヌーブ)の拷問を肯定はできないが、否定もできまい。娘の行方が消えてから日数が過ぎ、警察も頼りにならない状態では、やむを得ない手段だった。 娘の奪還に焦るあまり、次第に狂気を帯びる父親。捜査に手こずって、たびたびきれる刑事。 日常では平穏に過ごし、人の安否を気遣う人間も、局面では異様な行為に走ることもある。 犯人も同様だった。