日常と狂気


 娘を誘拐された父ができることは、自力で関係者の口を割らせることだ。
プリズナーズ』(米国、ドゥニ・ビルヌーブ)の拷問を肯定はできないが、否定もできまい。娘の行方が消えてから日数が過ぎ、警察も頼りにならない状態では、やむを得ない手段だった。
 娘の奪還に焦るあまり、次第に狂気を帯びる父親。捜査に手こずって、たびたびきれる刑事。
 日常では平穏に過ごし、人の安否を気遣う人間も、局面では異様な行為に走ることもある。
 犯人も同様だった。 
 

 

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