自分の時間

『フジヤマコットントン』(日本、青柳拓)の被写体は、家族でもなければ、職員でもない。富士山の見える福祉施設に通う障害者たちだ。

 絵を描く。花を世話する。綿をつんで布を織る。寝たいときはひたすら寝る。深刻さに目を向けがちな既存のドキュメンタリーと違い、撮るのは、つかの間のひとときだ。自分のペースでしか味わえない至福の時間を、観る者も共有できる。

     

 

アクセスカウンター